[ 概要 ]科学技術と芸術文化の対話から生まれる新しいコミュニケーションの可能性を提示してきたICC。2008年度はオープンスペースと題して、これまで紹介された作品展開と注目プロジェクト(年間4回紹介)の紹介を行う。なんと年間通して無料!公式サイト
評価:
評価:

百聞は一見にしかずというけれど、百見するより一回体験する方がさらに濃厚であることは間違いない。
« 7月 2010 9月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

百聞は一見にしかずというけれど、百見するより一回体験する方がさらに濃厚であることは間違いない。
ICCは、インタラクティブな体験で、全身をもって感じることに重きをおいた展示が多い。難しいこと考えなくても、自分の感覚に正直になってただ感じるだけでいい。幼い頃、青少年科学センターで初めて曲がる鏡や振り子を見て感じた、素朴な「すげえよ!」という感動が、今また味わえる貴重な場所だ。僕は、ICCのことを大人の科学センターだと思っている。
今回もっとも印象に残ったのは<<VP3L>>。体験者は真っ暗な約3メートル四方の立方体にはいる(正確には一面は壁なし)。床壁天井に描かれた宇宙空間のような無数のドットが視界を覆う。中央のコントローラを、前後上下左右へ動かすとドットが協調してぐるりと動く。自分は立ち止まって居るのに、あたかも自分が移動しているような錯覚におちいる。僕は3D酔いはない人間と思っていたが、斜めにひねりを加えるように回転させた瞬間、足元がおぼつかなくなって気持ち悪くなった。まるで宇宙にいるような浮遊感。横方向や縦方向ならたいしたことない。視界全体が横や縦に移動するという光景は普段の生活でも見慣れているけれど、斜めに動く状況はあまり経験はあまりない。だから、環境ではなく自分が動いていると勘違いするんだと思う。こういう体験をすると、誰だって否が応にも自分の身体の不思議さに思い巡らせることだろう。
次の小部屋にはいると、無数に組み合わされた金属薄片で有機的なシルエットをもつオブジェが、天井からぶら下げられて居る。よく見ると、物体は呼吸をしているかのように、静かに繰り返し蠕動している。<<変種ウルバニュス>>は人工生命である。オスメス二体が相互作用しながら生活しているそうだ。当然プログラミングされた機械なのだけれど、じっと見ていると、こいつは何を考えているのだろうと想像してしまう。かすかな機械のきしみ音すら鳴声に聞こえてくる。
<<invertone>>>では無音室に入って二つの大きなスピーカーの間に立ち、ノイズキャンセリングを体験できる。無音にはならなかったけど、頭の位置で音の減衰を感じられた。真っ白な無音室と大ボリュームのホワイトノイズという異質空間に身をおくことだけでワクワクした。ここの展示物は複雑な技術を駆使する一方、見た目はシンプルなものが多い。その非日常的な美しさにみとれてしまう。
素直な感覚から始める思索の楽しさを、まさに体験できる展示の数々。これが全く無料だというのだから、行かないと損に決まっている。
About







