・吉田暁子のインスタレーションは一瞬を永遠に閉じ込めたように思えた。多数の紙切れが風に乗るようになびきながら、頭上で静止している。自分だけが時間の外に居るような錯覚をしてしまう。不思議な体験だ。
・シルクの生地や白磁器の質感をひたすらに再現しようとする伊庭靖子の絵画は、美しさの要素を抽出しようとする試みか。万人に受け入れられる普遍性。
・もっとも衝撃的だったのが巨大なタイル画?壁板画?の藤原彩人だ。5メートル程のキャンバスに、陶器製の人物が、がめんから盛り上がっている。でかい割になんだか控えめなボンヤリした表情でなんともアンバランスな感じ。二歳のムスメも思わず、オカチイネ、と呟いた。
・妻が気にいって眺めていたのは、栗本夏樹の漆と瑠璃絵の技法を使ったデザイン画。和素材の表面に出来た模様というかテクスチャー感に改めて美しさを感じた。瑠璃の素材のもつ複雑な模様が鈍く、しかしながら存在感をもって輝くのは、これこそ日本の美、と言える。
ついつい足を運ぶのが億劫になってしまうけれど、やっばり実物は凄い。(毎回言ってる気がするけど)
難しい芸術的素養はなくたって、ちゃんと実物に向き合えば、勝手に感情が反応する。なんだこりゃ?ってだけでも、いいじゃないか。
それを適切な言葉にできないのがもどかしいけれど。
追伸: 国立新美術館は建物自体がとっても気持ちいいので、六本木ミッドタウンに出かけたのついでによるだけでもよし。
来月はメディア芸術祭もあるでよ。