突然だが、私の祖先は農民だった。
ある日、本能寺の変により追われる身になった明智光秀を竹薮で匿う、という幸運を得た。その時の褒美が、後に商人に成り上がる足がかりになったと聞いた。
光秀自身はその後やはり別の竹薮で農民に殺されたという(明智藪と呼ばれる)から、
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突然だが、私の祖先は農民だった。
ある日、本能寺の変により追われる身になった明智光秀を竹薮で匿う、という幸運を得た。その時の褒美が、後に商人に成り上がる足がかりになったと聞いた。
光秀自身はその後やはり別の竹薮で農民に殺されたという(明智藪と呼ばれる)から、
地図を開くと見入ってしまう。空想の視点から世界を見下ろした現実を、正確に書き表したその図は、ノンフィクションに違いないのだけれど、ノンフィクションに思える。そこには両者が入り交じった魅力がある。細かな字で記された固有名詞のオンパレードや色とりどりの記号は、まさに知識の宝庫。見るだけで知らない土地を理解した気になって、楽しい。知識欲を刺激される。

こわいのはやだよー。僕はこわがりなので、ホラーものがてんでだめだ。時たま訪れる立ち直れないほどのダウナームードの時だけ、落ちるとこまで墜ちようと怖い世界に触れる。今回もそんな気分で手に取った。
久しぶりに小説を1日で読み切った。平日の夜中2時すぎまで一心不乱に読書するなんて、我ながらどうかしている。ただただ、先を読み進めたいと思わせられてしまった。

京都にうごめく変人達(黒髪の乙女も例外なく)に、主人公が翻弄されるお話。ひたすらもがき、暴走する様がおかしい。悪魔のごとき思考と風貌を備えた、変人代表小津の暗躍っぷりと浅はかさがこれまた笑いどころ。にやにやしながら一気読みしてしまった。

名手とか紹介しながら、実はディヴァーの長編は読んだことがなかったり。「この文庫がすごい2006」だかでランキング上位なのをみて、読んでみた。
すげぇ、おもろい。

なんとなくタイトルにひかれて読んでみた。
まず今時の女子高生の軽妙な口調で描かれているのが面白いと思った。
壮大な妄想にお付き合いしましょう

by G-Tools , 2008/01/12
■アウトライン
炭素排出量ベースの経済に対応するため、ジャングルになった東京。裕福なものは、超巨大建造物「アトラス」多層都市に移り住み、それ以外は森に脅える地上でゲリラとなった。ゲリラ総統の女子高生、アトラスの正統後継者の少女、それを保護する超変態医者、世界経済を襲うAI「メデューサ」、最強のオカマ、脅威的な擬態能力を備える政府軍が熾烈なアトラス攻防戦を繰り広げる。アトラスに秘められた企みとは?東京の行方は?
男性がエッセイを書くと「なのである」「なのだ」を多用するから、つまらない、という指摘を読んだことがある。押し付けがましい、という。耳が痛いが、まことにその通りだと思う。本作を読んでそれを思い出した。
by G-Tools , 2008/01/23
紹介文は省こう。とにかくヨソで見たことのない奇態な構成の短編集である。いつだかの年間ベストランキングに入っていたので、読んで見た。
この本の特徴は、とにかく実験であることに尽きるだろう。最初は普通一般の小説の体なのだが、2、3ページと読むとその小説世界の独自ルールが提示され、作者の企みが分かってくる。20数個それぞれが異次元世界をもっているようなもの。他に見ないさまざまな奇想が1冊に詰まっているのだから、お得感は高い。
のだが、個人的には消化不良である。見たことがない形式の小説ではあるのだが、それ以上ではない。小説としては残念ながら退屈。アイディアとそこで語られる物語の密度とが釣り合いがとれていないように思う。淡泊というのか。提示されるルールのインパクトが大きいせいか、読み進めるにつれ期待外れ感は強くなり、読後のがっかり感が大きい。用意されたオチも切れ味なく平凡。設定した制約をうまく利用して、ううむ巧いなと、うならせて欲しかった。出だしが異常すぎて、そのテンションを維持するのはどうやったって無理なのかもしれないけれど。
やっぱり、よくも悪くも「実験である」という以上に適切な評価はないだろうな。
繰り返し読みたい小説ではないけれど、暴走っぷりは楽しい小説。
by G-Tools , 2007/12/26
沖縄、天久基地跡。日本に返還されたその土地に、巨大なペンタグラムが描かれた。琉球の大地から呼び出されようとしているのは、世界を支配するほどの力をもつ”レキオス”。米軍、変態人類学学者、混血(アメレジアン)の女子高生、百発百中の占い師(ユタ)、琉球のセチを治める巫女(ノロ)、企みを潰えようと暗躍するCIA、黒船、偉大なる王が、レキオスを巡って争う。琉球の秘密、レキオスとは一体なんなのか?
とにかく勢いのある小説。いや、むしろ暴走というか悪ふざけとしか思えない。この小説は、科学SFと宗教SFと歴史SFを同時にパロディしているのだけれど、いずれもぶっ飛んでいる。ルール無視で作者の書きたいように乱暴に書かれた感じ。その横暴ぶり、ハチャメチャぶりがこの小説の面白さだと思う。読者を裏切らない物語りは退屈になる。常識や理解を軽々と越えて、見たことのない世界を見たい。そういう意味でまことに痛快な小説だとおもった。やりすぎて読者を置いてきぼりにすることもあるけれど。
残念なことに、もう一度読みたいとは思わない。それは文章に面白みがないから。物語りをすすめるための説明っぽい。極端にいうと、「○○がおこった。△はこう思った。それは□なのだ。」という、事象とその説明というパターンが単調に繰り返される。そりゃどの小説だってそういうもんなんだけれど、この小説ではそんな印象が強い。言葉に力がないというか、味わいがないというか、行間を読ませないというか、どう表現すればよいのかわからないけれど、全体が説明的にすぎる。長編だけに退屈する。ストーリーを説明することと、話を語るのは別なんだなぁと、思った。