まぼろしの苺と呼ばれる「ふさのか」という品種がある。
千葉県成東を中心に限られた農家でしか生産しておらず、育てるのが困難なため、店頭にはほぼ並ばない。
つまり、現地で自ら摘むしかない。年末から無性に食べたくなって、2月6日にレンタカーで出かけた。
向かうは、かわつら苺園。11:00頃到着したら、当日のふさのかはすでになくなってしまったとのこと。
思わず「ふさのか食べに来たのに…」と呟いたら、組合に問い合わせてくれた。なんと親切な人たち!
もうここだけしかやってない、と紹介してもらった小山ファームへ車を走らせる。
ここでも無かったらホントにまぼろしだよ、とアクセルを踏む足にも力が入る。
果たして、着いてみると甘い香りが立ち込めていた。
しかし、駐車場はやけに空いている。迎えに出てきた園主がまだまだ大丈夫だと声をかけてくれたが、
息つく時間ももどかしく、ビニールハウスに潜り込む。ムワッとした熱気と共に、甘美な香気が一層濃厚になった。
あきひめ、紅ほっぺ、茜っこ、とちおとめの誘惑を引きずりながら、ハウスの一番奥へ向う。
我々はふさのかを食べにきたのだ。他のイチゴはなにするものぞ。
みるからに熟れきったひとつのふさのかを力強く摘み取り、ゆっくりと口にいれる。
ジューシーな果汁がまるで桃のように溢れ出す。
ただの甘さではなく、ねっとりとまろやかな風味が残るのも似ている。
香り、触感、色、形そして食べやすさ。もはや既存のイチゴの枠組みのなかで語るべきでない。
キングオブフルーツである。是非ご賞味あれ。
あきひめは今ひとつだったけれど、他のも美味しかったことは付け加えておく。
ちなみに、イチゴはヘタ側から食べるのがセオリーだけれど、イチゴ刈りでは先から食べる。
完全に熟れているのを食べるからだ。店で買うイチゴと刈りのイチゴは別物だといって良い。
甘酸っぱさはない。ひたすら甘い。それが唯一の弱点かもしれない。
思わずひとつ若いイチゴを食べてしまった。(絶対真似しないように)
昼食は「魚友」という居酒屋で、13種類のお刺身二人前を頂いた。

銚子が近いだけあって、新鮮で格別。いくら刺身自慢でも東京ではお目にかかれない量と味。イチゴ刈りとセットでどうぞ。
旅の締めは九十九里浜。冬の海は全てを拒否するかのような厳しい海だった。
片道2時間強の日帰り旅行を満喫してみた。



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